曽我村長、もうやめましょうよ

未だに無防備都市(地域)宣言に取り憑かれている御仁がいる事自体に驚くわけだが、それでも放置は出来ないのでとりあえずここにも書いておく。

この曽我村長が無防備都市宣言を根本的に勘違いしているという事は議論を待たない。
厄介というかこの手の信奉者のテンプレート通りというか、序盤では安易にジュネーブ条約を最初に持ち出している。おそらく、自説に箔をつけるために推進者の弁を安易に信じてしまったのだろう。

 無防備都市宣言とは、ジュネーブ条約に基づくもので、特定の都市、地域を無防備地域であると宣言することである。この地域を攻撃することは国際法で禁止される。
 この宣言を地方自治体として行ってはどうか、という着想だ。

平時に自治体が宣言する事自体がジュネーブ条約違反である事を指摘されると、案の定、このような言い訳に逃げてしまっている。

私の主眼は、無防備都市宣言が、現在の日本と世界のおかしな状況を変えていくための道具になるのではないか、という点にある。戦時下での無防備都市宣言の実効性よりも、無防備都市宣言が今のこの状況に対して発揮できそうな効果に期待している。

ジュネーブ条約を無視するような連中の主張を聞き入れるような奇特な人が果たしてどれほどいるのか。考えるまでもない。
大前提となるルールを軽視し、「効果がきっとあるから別にいいじゃないか」などという理屈は子供のそれだ。仮にも自治体の首長が軽々しく言えるようなものではない。

今回の件で出た結論

前回の日記で引用したような主張が、なぜか新聞やテレビ側から出てくる点に関して考え、そして私の中で出た結論。

この国のマスコミというのは、自分の力で何を報道すべきかを自ら決定する能力が欠落している。

よく「報道しない自由」などという言葉で彼らが揶揄される事があるが、私自身としてはこの表現はあまり適切ではないと考えている。
彼らは意図して特定の事象を報道しないのではなく、何を報道すべきか/すべきでないかをきちんと自分の頭で考える事が出来なくなってしまっていると考えた方が自然じゃないだろうか。
確かに彼らが「報道しない自由」と揶揄されるに足る事を行っている点は否定しない。揶揄されても仕方がないとは思う。
しかし実態は、放送局や新聞社のどこかで、それなりの地位にある人が悪意をもって報道内容を偏らせている、とは少し考えにくい。おそらく現場では、報道内容の選定の際の「売れるかどうか」以外の判断基準が壊死しているんじゃないかな。
だから昨年は徹底的に自民党をあげつらい、今は民主党を集中的に取り上げている。光に群がる蛾のように本能的反射的で、その行為そのものを自ら止めることも出来なくなっているんだろう。
だから、「検察のリーク」などという情報にも飛びついて脊髄反射的に報じてしまう。「検察の世論操作だ!」なんて言い分がメディア内部から出てくるのも、そういったメディアの劣化部分に対する憤りもあるのかもしれない。
とはいえ、そうやって憤っている人達の多くもまた、昨年自分たちも脊髄反射的な報道を繰り返して自民党を大敗に追い込んだわけだが。

何が「読み方」だよ

『小沢疑惑報道』の読み方

 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体陸山会」の土地購入をめぐる疑惑事件が元秘書らへの強制捜査に発展した。私は取材現場の事情は知らない。ただ、読者として多くの記事を読む限り、正直言って「これはいったい、なんだ」という感じも抱いてきた。
 なぜなら、当事者本人か捜査当局しか知り得ないような情報がしばしば盛り込まれているからだ。ときには当事者が捜査当局に供述したとされる内容が報じられたりしている。
 ということは、当事者が取材記者に話したか、あるいは当局が記者にリークしたのではないか。疑惑があるなら解明されねばならないのは当然である。現場で取材する記者の苦労は理解できるし、多としたい。
 だが、結果的に当局の情報操作に手を貸す結果になっているとしたら、それもまた見逃せないのだ。
 検察が公判請求し裁判になってからも、判決が報道された内容どころか起訴状の記載事実とさえ異なる場合はある。読み手としては、情報の出所にも注意を払わざるを得ない。
 民主党鳩山内閣は一連の報道でダメージを受けた。その結果、支持率も落ちるだろう。この疑惑は間違いなく、本日から始まる通常国会で焦点になる。
 記事を書く側の一人として「本当に起きていることはなにか」という点に細心の注意を払って、今後の展開をウオッチしていきたい。 (長谷川幸洋

じゃあ、「関係者の話で分かった」とか「検察の取材で分かった」といったやり口を辞めればいいだけの話だろうに。
それが出来ない、ニュースバリューがあると踏めば何でもかんでも記事にせざるを得ない、逆に、ニュースバリューが無いと判断したらどんな重要項目だろうが記事にしない。そういうメディアの悪弊を検察に利用されている事に気づかないのか。いや気づいているはずだ。しかし辞められない。だから読者に「そういう記事は読み流してくれ。でも新聞はそういう記事目当てに買ってくれ。」と暗に言ってるも同然だろう。

こんな手合いがオーマイニュース編集長だったという笑い話

記者クラブを楯にして新聞を有料化しようと企てる人たち

 元週刊現代編集長で、ついでに言えば元オーマイニュース編集長でもある元木昌彦氏の週刊誌は死なず (朝日新書)という新刊を読んだ。この中に、「ネットの影響を受けているのは新聞も同じである」として次のようなくだりがある。すこし長いが引用しよう。

 しばらく前に、朝比奈豊毎日新聞社長と若宮啓文朝日新聞元論説主幹と話す機会があった。私は、こうした人たちと会う時、必ず聞いてみることがある。それは「どの新聞社もネットを充実させればさせるほど紙の部数が落ち込んでいることで悩んでいる。ここら辺で、新聞社が”談合”して、情報(ニュース)はタダという風潮を断ち切り、有料化に踏み切ってはどうか」ということである。

 談合という言葉は刺激的すぎるが、要は、日本語という狭いマーケットの中で、バラバラに情報を垂れ流し合っていても、広告収入で採算をとるのは不可能に近い。「Yahoo!」など巨大ポータルサイトへのコンテンツ販売も、安く買い叩かれ、莫大なネットの維持費を穴埋めすることはできない。まだ、新聞討が体力のあるうちに有料化に踏み切らなければ、手遅れになりかねないからだ。

 両氏も同感だとして、朝比奈社長は、ドイツの新聞社が同じようなことをやろうとしたが、たった1社が反対したために、できなかったという話をしてくれた。1社でも「協定」を守らず、無科配信を続ければ有料化はできないとよくいわれるが、そんなことはない。新聞の6割方は発表ものだから、新聞社お家芸の「記者クラブからの締め出し」をすれば、その社には情報が入らなくなる。共同、時事通信が配信しなければ独自取材をしなければならず、採算面でも追い込まれる。

 驚くべき話。あきれ果てて声も出ない。

 さて再び冒頭に紹介した元木氏の話に戻ろう。なんと驚くべきことにこの人は、記者クラブによる情報独占を楯にして、談合によってこの有料化戦略を成功させればいい、と主張しているのである。

 これはどういうことを意味するのか。たとえば具体的にシナリオを描けば、こういうことだ。

 被害者となるのは、まあどの新聞社でもいい。ウェブパーフェクトを掲げてソーシャルメディアやウェブの戦略を頑張っている産経新聞にしておこうか。

 ――朝日や読売、毎日、日経、そして共同通信時事通信が、なぜか同じ日に突如として「ウェブサイトでの記事の有料化」を発表する。新聞価格の値上げと同じで、「これは談合ではありません。偶然同じ日に偶然発表しただけなんです。私たちもびっくりしましたよ、他の新聞社さんも同じことをするなんて」と言い張る。

 しかし産経は、ロイター通信と同じように「私たちは他の新聞社のような談合はいたしません。今後もウェブでは記事を無料で読んでいただけるようにサービスを続行します」と高らかに宣言する。ネットユーザーたちは、大喜びだ。だいたい新聞社の記事の大半は官庁や企業の発表モノだから、ニュースソースはひとつあれば十分。これからは産経の記事にリンクを張っていこう。

 ところが数週間後、国内すべての記者クラブで突然クラブ総会が招集され、その場で産経新聞は脱会を命じられる。理由ははっきりしない。「クラブの和を乱した」とか「ルールに反する行為があった」とかそんな名目だ。「違反行為」の明確な内容は決して明らかにされない。

 そうして産経新聞は独自のニュースソースによってオリジナルの記事を書くことしかできなくなり、発表モノを報じることはできなくなってしまう。この結果、ウェブ上では無料のニュースはごくわずかしかなくなってしまい、みんな新聞社の有料サービスに申し込まざるを得なくなる。これによって新聞社の有料モデルはついに成功を収めた。良かった、良かった。そして産経もついに音を上げて、産経ウェブとiza!を有料化することを条件に記者クラブへの復帰を認められることになったのだった。

 ――と、元木氏が提案しているのはこういうシナリオになるわけだ。

 こんなバカげた話を書いている元雑誌編集者が、日本のメディア業界では「ネットのことがよくわかっていて、われわれの行き先を指し示すことができる数少ない人」として尊敬されているのである。だから日本のメディア業界は絶望的なのだ。

多少は佐々木氏によって誇張されている部分もあるとはいえ、記者クラブという情報の独占システムを利用して既得権益を維持しようと呼びかけているのは確かだろうな。
しかしまあ、こんな事を考えているような人物が、権力の監視だのジャーナリズムだのほざいているってのが救えない。むしろ笑えてくる。「新聞」や「雑誌」という媒体が不要だとは思わないが、今の「新聞社」や「雑誌社」も一度総選挙よろしく読者の審判を受けてぶち壊された方がいいんじゃないかとすら思えてくる。

どうして産経の記事からの引用が多いのかと尋ねられる

ぶっちゃけた話、Web上の記事の掲載期間が最も長いから、というだけの話。

MSと産経の新ニュースサイト、「スクープも新聞の締め切り待たずに出す」

記事の掲載期間は原則6カ月とするが、主要なニュースに関しては期間を限定せずに掲載し続けるという。

他の新聞社だと3ヶ月くらいで消えてしまうんだよね。
無期限に残り続ける所があればそっちに乗り換えたいんだけど。