今回の件で出た結論

前回の日記で引用したような主張が、なぜか新聞やテレビ側から出てくる点に関して考え、そして私の中で出た結論。

この国のマスコミというのは、自分の力で何を報道すべきかを自ら決定する能力が欠落している。

よく「報道しない自由」などという言葉で彼らが揶揄される事があるが、私自身としてはこの表現はあまり適切ではないと考えている。
彼らは意図して特定の事象を報道しないのではなく、何を報道すべきか/すべきでないかをきちんと自分の頭で考える事が出来なくなってしまっていると考えた方が自然じゃないだろうか。
確かに彼らが「報道しない自由」と揶揄されるに足る事を行っている点は否定しない。揶揄されても仕方がないとは思う。
しかし実態は、放送局や新聞社のどこかで、それなりの地位にある人が悪意をもって報道内容を偏らせている、とは少し考えにくい。おそらく現場では、報道内容の選定の際の「売れるかどうか」以外の判断基準が壊死しているんじゃないかな。
だから昨年は徹底的に自民党をあげつらい、今は民主党を集中的に取り上げている。光に群がる蛾のように本能的反射的で、その行為そのものを自ら止めることも出来なくなっているんだろう。
だから、「検察のリーク」などという情報にも飛びついて脊髄反射的に報じてしまう。「検察の世論操作だ!」なんて言い分がメディア内部から出てくるのも、そういったメディアの劣化部分に対する憤りもあるのかもしれない。
とはいえ、そうやって憤っている人達の多くもまた、昨年自分たちも脊髄反射的な報道を繰り返して自民党を大敗に追い込んだわけだが。