議論の深化

丁度良い記事を見つけたので新規で書いてみる。

論座』休刊ながら高級紙は後退の朝日新聞社
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20080909-03-1201.html
2008年9月9日 リベラルタイム
 朝日新聞社は七月十五日に月刊誌『論座』を九月一日発行の十月号で休刊する、と発表した。
 論座は同社発行の月刊誌『月刊ASAHI』を継ぐ形で一九九五年に創刊、九七年に誌名を『論座』に変更した。『月刊ASAHI』の前身は朝日新聞社の代表的な週刊誌『朝日ジャーナル』で、『論座』はそのの系譜を継いできた雑誌であった。現在の編集長は朝日新聞政治部出身の薬師寺克行氏。政治的な論調には評価が高かった。
 しかし、日本雑誌協会の〇七年のデータ(ABC調査とは異なる)によると、『論座』の発行部数は約二万部。同誌と競合する『正論』(産経新聞社)の約八万部はもとより、『諸君』(文藝春秋社)の約七万部に及ばず、万年赤字が続いていた。
 今年四月に出版部門が分離して「朝日新聞出版」ができた時も、『論座』は本体に残った。赤字幅が大きいので新会社に移すわけにはいかなかったという。このため、休刊は時間の問題と見られていた。
 そこで浮上したのが、昨年秋か今年春には創刊されるのではないかといわれてきた、朝日新聞社の高級紙創刊プロジェクトである。本誌の〇七年十月号で、船橋洋一主筆が中心になり、木村伊量元編集局長や外岡秀俊ゼネラルエディターによる創刊チームにより、〇七年秋には高級誌を創刊するのではないか、という記事を掲載した。ところが、船橋主筆と外岡ゼネラルエディターの意見が合わずに創刊が遅れ、朝日新聞本紙に論壇的な内容を含む別刷りを折り込むことが進んでいるらしい。〇七年十月に、外岡氏は、香港駐在の編集委員になる等プロジェクトチームの人も入れ替わった。
朝日新聞』は販売部数が減り、広告収入も激減している。そうした閉塞状態の中で、新媒体は出さず『論座』の休刊を決定し、本紙に別刷りを折り込むという大幅な企画の後退となった。こうした状況に、「休刊は早く決めて、前向きなことはしないのでは、士気は落ちるばかりだ」と中堅幹部は嘆げいている。
リベラルタイム10月号「コンフィデンシャル」

論座」を見放した元読者達が感じた不満と、自分がOMNに対して抱いていた不満は通じる物があるように思う。いつまで経っても「突っ込みどころ満載な」記事が淘汰されないというのは、受け手からしてみれば相当なフラストレーションのはず。送り手に直接反論出来ない紙媒体、映像媒体の場合、受け手は「読まない/見ない」という形でしか意思表示を出来ないが、双方向性が機能として提供されているWebの場合は、コメントやトラックバックなどで「反論/指摘する」という手段が存在する。そこで書き手が反応し、お互いの見識が深まれば儲け物なんだけれども、往々にして(自分に)反論/指摘される記事の書き手というのはその対応を間違える事が多いらしい。
それを繰り返した結果、「どこを突っ込んでも送り手から反応の無い、主張内容もつまらない媒体」になってしまい、俺みたいな物好き以外からは見向きもされなくなってしまったのが末期のOMNだったんだろうな。